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エンジニア達は自分の技術の最高傑作品に対して大きな満足を得ながらも一方で、これで良いのか、他により素晴らしい方法があるのではないかといった不安にかられます。常に最高技術への到達点を目指して飽く事の無い技術の探求に強い関心を持っています。しかし、技術の無限探求と言っても、一定の手立てがある訳でもなく、偶発的な思い付きの面が多く、なかなか新しい技術の発想の芽は生まれにくいものです。それに、「新しい技術の発想」と言っても内容的には個人的な過去の経験・知識の域を出ていないのが実情でしょう。
「新しい技術の発想法」又は、「新しい考え方の発想法」はR&D、開発設計の技術に関するだけでなく、日常ビジネスの中で、「新しい工夫の発想力」「現状の改善力」「人の意識と行動力」といった知的資源開発面でもその活用領域は広く、新しい技術の発想力高揚のためには、新しい技術のヒントとキッカケをどこに求めるかがポイントになってきます。「ティッシュペーパー」を例にすると、ティッシュペーパーと言っても上質、普通質、グレード、各メーカーとも様々な種類のティッシュペーパーがあり、そのティッシュペーパーは強度、張力、吸水性、保湿性、表面粗度、臭い、変色といった固有技術特性を持っています。その固有技術特性に合わせて各社のティッシュメーカーの技術を横ニラミに眺めると、表面形状では、ふんわり凸形状もの、フラット形状もの、伸縮性では伸び縮みが大きいもの、少ないもの、含水性では水に直ぐ溶けるもの、溶けにくいものなど、各メーカー製品の「具現化技術」に非常に多くの技術の違いを発見することが出来ます。ましてや、LCDテレビ、PDP、半導体設備、工作機械などUNIT単位の大きい製品の場合、この様な方法に従えば、専門家といえども知らないことの方が圧倒的に多い事が分かります。
EVE(Excellent Value Engineering)とは、VE(Value Engineering)が新しい技術の発想のヒント、キッカケを「機能体系」に基軸を置いたアイデア抽出法を基本とするのに対して、EVEは「固有技術体系(技術INDEX)」に基軸を置いて同質・同種の類似技術群から技術チェーン分析により新しい技術のヒント、キッカケを求めます。このような発想法がEVEの基本となります。更により高次な技術の発想法として、「ティッシュペーパー」と「グラビア紙」を比較してみると両方とも「紙」という点では同じ部類に属しますが、業種、分野、使用、用途、目的、および「紙」の技術的な相関性は似て非なるものがあるように思えます。
しかし「ティッシュペーパー」の技術体系軸(強度、張力、吸水性・・・など)を持ち出して双方の技術をチェーン分析させると、ティッシュペーパーの持つ吸水性技術ノウハウと、グラビア紙のもつインク昇華技術との間に密接な技術の類似性をうかがうことができ、我々は新しい技術への多くの手掛かりを知る事ができます。
他の例では、M/Cセンターのスライド、シュート面の磨耗防止技術は工作機械技術の大きな生命線です。そのスライド機構部のノズルから噴出させるオイルの微細な粒状を作る技術を異業種のオイルポンプメーカーノズル機構を採用することによって磨耗寿命を大幅に伸ばしました。
このように、異業種からの技術移転、転換、転用、変質、変換を行い新しい技術への手掛かりを求める技術の発想法を、EVEでは「共生化技術発想法」と呼びます。
また、人間の知恵と英知を集めた創作物の技術は自然界が持つ無辺な技術摂理には到底及びません。その為、我々はR&Dにおいて創造しようとする未知の技術を自然科学技術に手掛りを求めようとする発想、例えば、新しい自動車の全く未曾有のサスペンション機構開発において、人間の膝機構にサスペンション技術の類似性を認識し、その機構解明に取り組むというような発想のように、現存技術から自然科学技術において同じ技術価値の探求に未曾有な発想を求め、従来の専門家としては全く思い付かないような技術をものにする発想法を、EVEでは「等価価値変換思考法」と呼びます。
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